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語源をたどる-写真・光画・光の絵


 「photography」は「写真」ですけれど、言葉の意味にこだわると「写真」という言葉は、結構気になる言葉です。なぜ「photography」が「写真」になったのか。語源をウェブで捜していたら、詳しく書いてあるサイトを見つけました。(このふたつのサイトについてはページの最下段に紹介してあります)詳しくはこれらのサイトを見ていただくとして、この2つのサイトの内容を私なりに要約すると以下のようになります。


 カメラオブスキュラ

1.中国の詩人、杜甫には「丹青引」(絵画のうた)という40行に及ぶ詩があり、この詩には"必逢佳士亦写真"という部分がある。この文は「その真の姿を写しだす」というような意味であるが、これが文献にでてくる最初の「写真」という言葉である。

2.「カメラオブスキュラ」(Camera Obscura ラテン語)というもの(遠くの風景がピンホールを通って暗い部屋にさかさまに投影されるもの)が13世紀頃から使われた。

 ダゲレオタイプ

3.これが江戸時代にわが国に輸入され、これに対して平賀源内が「写真鏡」と名づけた。

4.1839年ダゲレオタイプ(これが現在の写真の原型)が発明され、1842年 ジョン・ハーシェル(英)が、photo 光(ラテン語)、graph 画くの意で、photographという言葉を作った。

5.その後輸入されたダゲレオタイプが、銀メッキした板を使うことから銀板写真、さらに写真機、写真という言葉が訳語として定着したと思われる。


 ということのようです。これで、納得がいきました。「カメラオブスキュラ」は当時としてはまさしく「真を写す」ものであったのでしょう。また「photography」という言葉から直接に写真という言葉が生まれたわけではないようです。「photography」を訳すなら、むしろ「光画」という訳のほうがふさわしいということのようです。実際、1932年から1933年にかけて、「光画」という写真に関する雑誌も発行されていたということでもありますし、現在でも写真関係の活動に「光画」という言葉を使っている例もあります。

 ところで、幕末から明治にかけて、西洋からさまざまな物や概念が日本に入って来ましたが、それを日本人は主に漢字二文字に置きかえてきたということです。だから「写真」とか「光画」という言葉が使われるのでしょう。ただ、私はこのような漢語的な音読みの硬い言葉よりは大和言葉的な響きを持つ(と勝手に考えている)訓読みのほうが好きです。そこでこのギャラリーの名前として、「光」を「こう」ではなく「ひかり」と読み、「光の画」という言葉も変なので「画」を「絵」に代えて「光の絵」と言う言葉を使用しています。


参考にしたサイト
※ 「写真」とは「真を写す」?
※ フォトグラフィーと「写真」の語源が分からない